フレディ・マーキュリーとブライアン・メイとロジャー・テイラーとジョン・ディーコンとアダム・ランバートと私 1

1本の映画があなたの人生を変える。

そんなことってある?大げさじゃない? そう思っていた2018年11月の自分。いや、あったわと2020年2月現在の自分は深く深く頷く。あったんです、それも第六天魔王こと織田信長さんが人間五十年と謡い舞ったその歳を超え、さらにしばらくたってから。こんなことになるなんて、誰が想像しただろう。

 

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始まりはこの映画だった

2018年12月1日映画の日、口コミ人気でリピーターが続出(友人も繰り返し見ていた)しかも猫がぎょーさん出てきて超かわいいとの些か不純な動機から見に行った映画「BohemianRhapsody」は、Queenフレディ・マーキュリーを主人公にした作品だ。世代的にファンになっていてもおかしくなかったはずの私は、はずかしながらこの映画で初めてQueenの音楽の奥深さとクオリティの高さを知った。

 

もちろんQueenというバンドがいるということは知ってたし、有名曲は知っていたし、MTV&ベストヒットUSA世代ゆえPVの記憶もあるのだけど、フレディは歌はうまいが色物のおじさんに見えていたし(ごめんなさい、あんなナイーブな方だったのね)他のメンバーにいたっては、まったくもって知らなかった。

たぶんベスト盤のCDを一度聞いたことはあったけどあまりピンとこなかった。うむ、ちょっと異常あるいは無能だったのかもしれない耳または頭が。

それともビジュアルから入らなかったのが、いかんかったのだろうか。

 

映画もとってもよくて、見ている途中から、これはもっかい見にこようと決めてしまった。曲が映像と見事にシンクロしていてよかったし、ライブシーンは迫力あったし、知っている曲(WWRYとかWATCとかボラプとかGAGAとか)も物語の流れのなかで聞いたら全く違う意味をもっているように聞こえてきた。

圧倒的なカタルシスを得られる音楽映画であると同時に、切ない青春映画感もバキバキ。要所要所で登場する猫のみなさんは噂通り超絶かわいいし、70年代ファッションは男女ともにキュートでBIBAに買い物に行きたくなる。

と、私のハートを鷲づかみ要素が山盛りなうえ俳優陣も老若男女問わずみんなチャーミングだった。

でもエンドロールで出てくる本物のQueenの姿ったら、ウッソなんてかっこいいのおおお!!!??と叫ばざるをえなかった。


レイトショーで映画を見た翌日の朝、とりあえず映画のサントラ盤を配信で購入した。音だけでも酔いしれた。そして映画では使われていたのにサントラに入っていなかった「輝ける7つの海」(このレコーディングシーンがまた楽しくって大好きですねん)が入っているベスト盤のジュエルズ2を買った。その後、他のベスト盤なども含め、繰り返し聞いていたら、オリジナルアルバムを聞きたくなって、輸入盤ではあるけれども、ちょっとずつ揃えていった。
ライブ映像も見た。AbemaではしょっちゅうPV特集をやっていたし、ブダペストライブ@マジックツアーも流してくれた。

ウェンブリーもモントリオールも人に借りて見た。GYAOでレインボーシアターも見た( ^ω^)

・・・つまり映画に飽き足りずQUEENの映像を結構見たんである。

初期も後期もみんな激イケだった。正しくは初期は美しくてかわいくて、後期はたくましくてかっこよかった(目はハート)ドキュメント映画をやるといえば見にいったし、本や雑誌の特集も読んだ。

一方で現在進行形であるQueen+AdamLambartの方の映像はあまり見ていなかった。

アカデミー賞授賞式のオープニングアクトとNYでのチャリティライブ(GlobalCitizens)のときの映像ぐらいだろうか、YouTubeで見たのは。

感想は、フレディには及ばないが思ったよりええんちゃうか?だった。偉そうだな。


その間、映画は月1ペースで見に行った。都内なら、まだまだ映画館で見ることができたのだ。

DolbyAtomsやIMAX、SCREEN‐Xに4DX、いろんな規格で楽しんだ(こんなにいろんな規格があるなんて、この映画を見るまで知らなかったわけだが (;^_^A)。

新装開店の映画館や昔ながらの二番館に行き、はじめての応援上映にも参加した。

その間に父が倒れ、亡くなる2日前にも、さいたま新都心のDolbycinemaまで見に行っていた。1日でもずれたら行けなかったはずだ。

父とフレディが行かせてくれたんだと今でも思っている。

 

そのさいたまに本物のQueen+AdamLambartがやってきた。

2019年4月に来日が発表されてからというもののチケット争奪戦に翻弄されまくった。くじ運には見放され突き飛ばされ、早いもの勝ちのときにはタッチの差で敗れ、最後のリセールでEMTGのプレミア会員になる課金をして、ようやく1月26日S席のチケットを当てることができた。

ここまでして行く必要はあるのか、大阪公演なら取れているんだし(友だちが当ててくれたやつです。ちなみに自分は外れた)しかもオリジナルメンバーじゃないのに、等と思わなくもなかったが、自分の住む街の近くに彼らがやってくるというのに見られないなんて、吉井和哉の詩じゃないけど、それじゃ悲しいだろう、やるせないだろうだ。

それにオリジナルメンバーの1/2だとしても曲の輝きは色あせないはずだ。

 

最悪、しょーむない省エネライブをやられたとしても、おじいちゃんたちなんだから、しゃーないといえるし、たとえそうなっても、リアル・ブライアンとロジャーが奏でる音を生で聞けるものなら聞きたいと思ったのだ。

御年72歳と70歳、さらに年配のRollingStonesやポール・マッカートニーはまだ現役だけども、彼らがいつライブはもうやらない、世界Tourなんてやらないよと言い出したっておかしくはない。

自分だって若くないから次があっても行けるかどうかわからないんだし。

 

というわけでライブ当日を迎えた。

それまでにもTourグッズを買いに先行販売初日のタワレコに走ったり、ご一行がソウル公演を終えた翌日に来日し、銀座だの六本木だの都内に出没したと聞けば、わけもなく興奮した。

ツアーが始まったら混むだろうと思って日本橋高島屋QUEEN展にも行ったが、日曜日の夕方だったのに入るのに20分程度並んだ。

とにかくどうかライブ当日まで何も起こらないように(何もとは、天災、ご一行と自分の体調不良、会場の爆破予告、コロナウィルスの蔓延、スマホの故障、そして個人的な弔事などを含む)半泣きで神頼みするという異常な日々だった。

 

地に足がついていないを通り越し、浮き足立っているを通り越し、私の脚なんてどこかに消えた。脈だって常に速くなっていた気がする。 

でも仕事だけはやった。大阪行きの2日間、大手を振って休むためだ。

予習復習もしっかりと。学生時代の自分にまったく縁のなかった言葉であるが、気合を入れて曲を聴きまくったのである。おかげで携帯音楽プレイヤーがこわれた。

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グッズ売り場は何時間も並ぶという噂だし(タワレコだって初日はえらい騒ぎだった)平日開催の大阪で買えばいいからってことで、同行したTさん(彼女もまた映画からQUEENにズッぱまりしてしまった方である)と3時にさいたま新都心に集合。

隣接するコクーンシティで昼食を食べたあと、ボラプを見た映画館でトイレを借りて、さいたまスーパーアリーナへと向かった。

日曜日だからライブの開始時間が早めの5時ということで、会場付近は、すでにごったがえしている。コスプレさんたちも会場前で絶賛記念撮影中だ。

 

なお、この日は当日券も出たらしい。チケ取りに翻弄された日々は一体・・・(しかもかなり良い席が出たってどういうことなのよぉ(# ゚Д゚))
さいたまスーパーアリーナの入り口は狭く、手荷物と金属探知機によるボディチェックはあったものの身分証明書確認はまったくなしで拍子ぬけ。すぐに座席へと向かった。

 

自分たちの席はスタンドの2階。おお見やすいぞ。ステージには王冠のようなセットがすでにセットされている。

ネット上では、初日はシンガロングの声が小さかったと書かれていたので、自分たちに振られたら全力で歌おう、ブライアンにいわれたらスマホライトもつけよう、サイリウムだって振ろう、できることは全部やって極東の地まで来てくれた彼らを迎えよう、と、これまでにない当事者意識(自分がステージに立つわけじゃないのに)をもって、開演を待った。